AIエージェントに開発や運用を任せるときに、周りに用意しておくものを3つの設計指針にまとめました。実際のプロジェクトの運用で得た原則と教訓を、特定のプロジェクトに依存しない形にしています。どれも Markdown 1ファイルで、そのままプロジェクトの docs/ に置いて使えます。
境界——AIに何をさせないか、どこで止めるか(ハーネス設計)
材料——AIが判断するとき、何を知っているか(コンテキスト設計)
現状と順序——今どう動いていて、どこから任せるか(既存システムの移行)
新しく作るプロジェクトなら「境界」と「材料」の2本を。すでに動いているシステムをAIに任せるなら「現状と順序」から始めて、残りの2本をその上に載せます。
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AI開発ハーネス設計(汎用版)
AIに何をさせないか、どこで止めるか。6つの層、人間とAIの責任分界、承認ゲートの実動作確認、秘密情報の扱い、実際の事故から導いた教訓集。
AI開発コンテキスト設計(汎用版)
AIが判断するとき、何を知っているか。コンテキストの5つの置き場、指示書の骨子、正本と事実台帳、鮮度の管理、長い作業での圧縮と隔離、外部入力の扱い。
既存システムのAI管理移行(汎用版)
すでに動いているシステムをAIに任せるとき、移行前に用意する7つ(台帳・動作確認・復旧・暗黙知・作業環境・委任計画・関係者)と、任せる範囲を4段階で広げる方法。
3本とも登録不要・無料。複製・改変自由(改変版を配布する場合は出典を明記してください)。
こんな方に
- 意思決定者・発注側の方:各資料の冒頭にある「要約」だけ読めば足ります。開発会社に「どんなハーネスがありますか」「AIへの指示書は誰が更新していますか」「戻せることを試しましたか」と聞くときの質問リストも入っています。
- 実装・運用する方:全体を通して。各資料の記入テンプレート(§11、移行は§8)と記入済み見本を手元に置いて作業できます。
- AIエージェント:ファイルを渡して「§0の手順に従って」と言えば、リポジトリを調べてテンプレートを自分で埋め始めます。人間は判断事項だけ決めれば済み、判断できなければ推奨案で仮決定して先へ進みます。
3本の関係
| ハーネス設計 | コンテキスト設計 | 既存システムの移行 | |
|---|---|---|---|
| 扱うこと | 止める仕組み | 判断の材料 | 現状の記録と、任せる順序 |
| 主な中身 | 6つの層、責任分界、承認ゲートの実動作確認、秘密情報、教訓集 | 5つの置き場、指示書の骨子、正本と台帳、鮮度、圧縮と隔離、外部入力 | 台帳、動作確認、復旧、暗黙知、作業環境、4段階の委任計画、関係者 |
| いちばん伝えたいこと | 承認ボタンは、本当に止めているか | 決めたことは会話ではなくファイルに | 戻せることを先に確かめる |
| 使う順番(新規) | 1 | 2 | — |
| 使う順番(既存) | 2 | 3 | 1 |
いちばんお伝えしたいこと——承認ボタンは、本当に止めていますか
ある本番環境で、承認ボタンが実はデプロイを止めていなかった、ということがありました。設計書にもコードにも図にも「承認後に反映」と書いてあったのに、です。
この種の食い違いは、一度実際に止まるかを試すことでしか見つかりません。ハーネス設計では、導入時と、パイプラインや権限を変えたときに「止まるべき操作が止まるか」を確かめる方法を、テンプレートの一項目として組み込んでいます。
使い方
- 必要な資料をダウンロードして、プロジェクトの
docs/に置きます。別のファイルは作りません。 - AIエージェント(Claude Code などのコーディングエージェント)に「このファイルの§0に従って」と渡します。AIがリポジトリや設定を調べ、テンプレートのうち分かる項目を埋め、人間が決めるべき項目を「要決定」として挙げてきます。
- 権限の境界や触ってはいけない場所など、人間が決める項目を埋めます。判断できない項目は「おすすめで」と返せば、AIが推奨案で仮決定して「仮」と印を付けます。
- 「実動作確認」(ハーネス設計§11-E)や「復旧を試す」(移行§8-C)のように、実際に手を動かす項目を一度行い、日付を入れます。ここまでが導入の完了です。
ツール名(CodePipeline、Amplify、GitHub Actions、WordPress など)はすべて例です。同じ役割を果たすものに読み替えて使えます。
ご利用条件
3本とも自由に複製・改変して利用できます。社内での利用、取引先への共有、自社の手順書への組み込みも構いません。改変版を配布する場合は、出典(JumpStack株式会社「AI開発の設計指針(汎用版)」と資料名)を明記してください。
本資料は設計の考え方と手順を示すものです。個々のシステムへの適用結果について当社は責任を負いかねます。本番環境への適用は、各プロジェクトの責任者の判断で行ってください。
設計指針を、御社のプロジェクトに。
JumpStackは、お客さまの現場にAIチームを配置するFDEを軸に、課題の定義から実装・運用までをご一緒しています。テンプレートの記入、承認ゲートの実動作確認、既存システムの棚卸しと段階的な移行まで、ご一緒します。
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