よくある制作フローと区分例
Photoshopの生成塗りつぶしはC? 空の置き換えは? Midjourneyのラフを参考に描き直したら?——実際の制作フローを来歴区分表の区分A〜Eに当てはめた例集です。デザインの現場からいただいた実例をもとに作りました。
例と規格本文の言い方が食い違って見えるときは、規格本文が優先します。道具の名前は説明のための例で、特定の製品を推奨したり評価したりするものではありません。AI機能の中身は製品の更新で変わるため、このページは規格本体より短い間隔で見直します。
先に押さえる3つのこと
1. 迷ったら、AIの関与が大きいほうの区分を選ぶ。
CかDで迷ったらD、DかEで迷ったらE。関与を小さく申告すると嘘の申告になりますが、大きく申告しても嘘にはなりません。
2. 部分ごとに違うときは、いちばん大きい区分+内訳。
例:区分D(人物:A/背景:D)。境目の判断に自信が持てないときほど、内訳を書き添えるのがお勧めです。内訳があれば、受け取る側が自分で判断できます。内訳に書く区分は、その部分を単体の作品とみなした場合の区分です(全体の区分は「脇役にとどまるか」で決まるため、区分C(人物:A/背景:E)のような書き方になります)。
3. 「何を作品として申告するか」で区分は変わる。
同じAI生成バナー画像でも、サイト全体を作品として申告するなら部品の一つ(C)、バナー単体を納品物として申告するならほぼそのまま(E)です。申告の前に、何を1つの作品として数えるかを決めてください。受注の仕事なら、納品物の単位に合わせるのが自然です。
イラスト・デザイン
| 制作フロー | 区分 | 考え方 |
|---|---|---|
| 完全に手描き。AI機能は使っていない | A | 生成AIを使っておらず、AIが作ったものが入っていない |
| ノイズ除去、アップスケール、自動選択、切り抜きのみ | B | もとからあったものを整えただけ。新しい中身は生まれていない |
| 線画の自動整え、下塗りの自動着色 | B | 自分が描いた線・構図が「もと」。それを整えている |
| 生成塗りつぶしで、背景の一部にものを描き足した | C | もとに無かったものが生成された。ただし脇役にとどまる |
| 背景をAIで生成し、人物は自分で描いた | C | 背景を取り除いても、人物だけで作品として成り立つならC。背景が主題で、除くと成り立たないならD |
| AIで作ったラフを参考に、全部自分で描き直した(AIの出力は作品に残っていない) | C | 参考にしただけでもCです。作品に残っていなくても、生成物が制作過程に入っている |
| AIが生成した人物を、大幅に加筆・修正して作品に仕上げた | D | 主な部分をAIが作り、人が作品と呼べるだけの手を入れた |
| AIで生成した画像を、色調整だけして納品した | E | 色調整は「整えただけ」。人の手入れが作品と呼べるところまで来ていない |
区分C(人物:A/背景:E))を書き添えてください。区分の1文字より多くのことが伝わります。
写真
| 制作フロー | 区分 | 考え方 |
|---|---|---|
| RAW現像、ノイズ除去、トリミング、自動補正 | B | 撮った写真を整えただけ |
| 小さなゴミ・電線を消した(消した跡をAIが埋めた) | B | 埋めた部分が「整えた」の範囲にとどまる |
| 大きな被写体を消し、AIが背景を広い面積で生成した | C | 埋めた部分に、もとに無かった絵柄が生成されている |
| 空だけAIで置き換えた | C | 空を除いても写真として成り立つならC。空が主題なら(除くと成り立たないなら)D |
| 生成拡張でフレームの外を作り足した | C | 作り足した部分は撮っていない。脇役にとどまるならC |
| 撮った写真を下敷きに、AIで別の画調に生成し直した | D | 主な部分をAIが生成。もとの写真と構図が人の寄与 |
| 文章から画像を生成し、補正して「写真風の作品」とした | E | 撮影していない。ほぼそのまま作品になっている |
文章・コピー
| 制作フロー | 区分 | 考え方 |
|---|---|---|
| 誤字脱字チェック、校正AI、表記ゆれの統一 | B | 自分の文章を整えただけ |
| 構成案・アイデア出しをAIと行い、本文は全部自分で書いた | C | 参考にしただけでもC |
| 文章の一部(見出し、要約、定型部分)をAIに書かせた | C | 生成された文が入っているが、脇役にとどまる |
| AIのキャッチコピー案を、そのまま採用した | C〜E | 何が納品物かで変わります。ポスター全体の一要素ならC。コピー単体が納品物なら、そのまま採用はE。案をもとに自分の言葉に書き直したならC〜D |
| AIが書いた下書きに、大幅に手を入れて自分の文章にした | D | 主な部分をAIが書き、人が作品と呼べるだけの手を入れた |
| AIが書いた文章を、てにをはだけ直して公開した | E | 整えただけの手入れにとどまる |
| 機械翻訳の出力をそのまま訳文として納品した | E | 翻訳物としてはほぼ全面的生成。大幅なポストエディットを施したならD |
Web制作・複合的な制作
| 制作フロー | 区分 | 考え方 |
|---|---|---|
| コード補完でスニペットを生成しつつ、サイト全体は自分で設計・実装した | C | サイト全体を作品とすれば、生成部分は脇役 |
| デザインは自分、バナーや挿絵をAI生成してそのまま配置した | C | サイト全体としてはC。バナー単体を納品するならE(「先に押さえる3つのこと」の3) |
| AIにページ全体を生成させ、大幅に作り替えた | D | 主な部分をAIが作り、人が実質的に改変した |
| AIが生成したページを、文言差し替えだけで公開した | E | 整えただけの手入れにとどまる |
複数の要素が混ざる制作では、内訳の書き添え(例:区分C(コード:C/画像:E/文章:A))がいちばん実用的です。
配布ファイル
いずれも CC BY 4.0 です。出典を書けば、書き換えても商売に使っても自由です。
このページは、寄せられた実例を足しながら更新していきます。実際の制作フローのご報告が、次の版のいちばんの材料になります。