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作品づくりのAI利用を表す、
共通の言葉。

生成AIをどれだけ使ったかを区分A〜E(作品ごと)で、その申告がどれだけ確かめられているかを水準V0〜V4(作った人ごと)で表す開示規格です。

来歴区分表 v0.17(意見募集中の案) 2026-08-03 公開 CC BY 4.0 — 改変・商用利用自由
WHY

なぜ、共通の言葉が要るのか

いま、逆向きの2つのことが同時に起きています。

使っていないのに、疑われる

判定ツールの結果ひとつで、値引きを迫られたり、原稿がボツになったりしています。しかも「使っていない」ことは、原理的に証明できません。完成した絵から制作過程の動画を作る技術まで出てきていて、タイムラプスも決定的な証拠にはなりません。

AI生成だと疑われたとき →

使ったのに、書き方がない

背景だけAIに描かせた。下書きの参考にした。誤字チェックだけ使った。困るのは、たいていこの中間です。投稿サイトごとに聞かれ方も選択肢の名前も違うので、同じ作品なのに毎回考え直すことになります。

AIを一部だけ使ったとき、どう書くか →

この2つは、別々の問題ではありません。作品ごとのAI利用を表す言葉(区分A〜E)と、その申告を裏づける仕組み(水準V0〜V4)が無いことから、両方が起きています。だから来歴区分表は、まず言葉をそろえます。この規格は、どちらか一方の味方をしません。AIを使うことの善し悪しを決めないためです。

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目的から探す

読む順番に決まりはありません。いま困っていることに近いところから読んでください。

作る人AIを一部だけ使ったとき、どう書くか背景だけAI、下書きの参考、誤字チェックだけ——中間の作品の書き方を、作業別の早見表と場面別の文例で。 作る人よくある制作フローと区分例生成塗りつぶしはC? 空の置き換えは? AIラフの描き直しは?——実際の制作フローを区分に当てはめた例集。デザインの現場の実例から。 作る人プラットフォーム別のAI申告小説家になろう・カクヨム・pixiv・DLsite・ココナラ・ランサーズ・Steam の申告欄と、区分A〜Eの対応の目安。 作る人AI生成だと疑われたとき「使っていない証明」が難しい理由と、いま残しておける記録。疑われたときの動き方まで。 主催する人コンテスト・公募の募集要項「AI不可」の一行では決まりません。禁止型・申告型・部門分離型の条項文例と申告様式。実際の取消し事故4件の教訓も。 みんなよくある質問証明との違い、区分と水準の使い分け、費用、Wの位置づけ、C2PAとの関係。 表示する場所実装ガイド v0.2投稿サイト・販売サイト・受発注サービス向け。データモデル、バッジの表示仕様、遵守事項。許諾も費用も不要です。 制度を運営する団体運用ガイド v0.1登録の手順、抜き取り確認、取消しと異議、検証員のしくみ、中立性の担保。届出も許諾も不要です。 調べる人用語集来歴、区分A〜E、水準V0〜V4、W、証跡、検証員——一語ずつの定義。 調べる人C2PA・Originator Profileとの関係「どう作られたか」「誰が出したか」「何を申告したか」。層の違いと、国内の実装状況、EU AI法との関係。
STANCE

3つの立場

この規格は「AIの検出」でも「証明」でもありません。見るのは、作った人の申告と制作の記録が食い違っていないか——それだけです。

01

善し悪しは決めません

区分A〜Eに優劣はありません。区分は「生成AIをどれだけ使ったか」の順序であって、作品の良し悪しの順序ではありません。全部AIで作った作品にも、同じように来歴はあります。

02

証明はしません

出来上がった作品を見てAIかどうかを見分けることは一切しませんし、勧めもしません。見分けるツールの誤判定で、実際に人が仕事を失っています。

03

保証ではありません

いちばん上の水準であっても、示せるのは「申告が後から確かめられる形で裏づけられている度合い」です。作品そのものの保証ではありません。

HOW IT WORKS

区分は作品に、水準は人に

ここがこの規格でいちばん大事なところです。作品1点ずつを検査するのではなく、作った人が「制作の記録を残す仕組み」を持っているかを確かめ、その裏づけのもとで作品ごとの区分を申告します。食品のHACCPやISO 9001と同じ考え方です。

区分 A〜E ── 作品に付く生成AIをどれだけ使ったかを、作った人が作品ごとに申告します。同じ人でも作品ごとに区分は変わります。区分を人に付けること(「区分Aの作家」等)は禁止です。
水準 V0〜V4 ── 作った人に付く申告がどれだけ確かめられているかを表します。確かめるのは作品ではなく、その人が制作の記録を残す仕組みを持っているか。1年ごとに更新します。
来歴 B-V3

「区分Bの作品を、水準V3の人が申告した」と読みます。区分と水準は、必ず対で表示します。

区分 —— 生成AIをどれだけ使ったか【作品ごと】

区分名前どういう状態か
A生成的関与なし生成AIを使っておらず、AIが作ったものは作品に一切入っていない
B非生成的補助のみAIは使ったが、もとからあったものを整えただけで、新しい中身は作られていない
C従属的生成AIが作ったものが入っているが、脇役にとどまる。または参考にしただけで作品には残っていない
D主要部分の生成+実質的改変作品の主な部分をAIが作り、そこに人が作品と呼べるだけの手を入れた
E全面的生成AIが作ったものが、ほぼそのまま作品になっている

迷ったときは、AIの関与が大きいほうの区分を選びます(CかDで迷ったらD)。関与を小さく申告すると嘘になりますが、大きく申告しても嘘になりません。作業別の早見表はこちら

水準 —— 申告をどれだけ確かめたか【人ごと】

水準名前何を確かめたか
V0開示なし区分の申告自体をしていない
V1自己申告確かめていない。本人が区分を申告しているだけ
V2記録あり本人が、決められた記録を残すと宣言し、抜き取りの確認に応じると同意した
V3第三者が確認その人の記録の残し方を、認定を受けた検証員が確かめた
V4ずっと確認制作環境をいつでも確かめられる状態にし、継続して確認している
来歴 B-V3 検証済バッジの表示例
検証済(V3・V4)— 淡琥珀地・角マーカー・「検証済」の3つで表します
来歴 A-V1 自己申告バッジの表示例
自己申告(V1・V2)— 白地・マーカーなし・「自己申告」
高額案件やコンペなど、特定の1作品だけを第三者に確かめてもらう手続きとして W(例: 来歴 B-V3(W))があります。Wは水準の順番の外にある追加の手続きで、「最上位の認証」ではありません。
DECISION FLOW

判定フロー図

自分の作品がどの区分にあたるかを、順にたどって判定できるA4一枚のフロー図です。保存して自由にお使いいただけます。

来歴 PROVENANCE STANDARDS 来歴区分表 v0.17 CC BY 4.0 生成AIの関与度 判定フロー 作品ごとに判定します。作者に区分は付きません。 Q1 制作工程で、AI技術を一切使っていない 生成・非生成を問わず、AI機能を全く使用していない はい 区分 A 生成的関与なし いいえ Q2 入力に無かったものが、出力に現れたか AIが新たな表現要素を生成したかどうか 現れていない = 整え直しただけ ・誤字脱字の自動校正 ・ノイズ除去・超解像・手ブレ補正 ・被写体の自動選択・背景切り抜き 現れた = 新たに生成された ・背景をAIに生成させた ・生成塗りつぶしで対象を追加した ・AIラフを下敷きに描いた 現れていない 区分 B 非生成的補助のみ 現れた Q3 生成された部分を取り除いても、作品として成立するか 例:背景のみAI/素材の一部/参考にしただけ → 成立する 成立する 区分 C 従属的生成 成立しない Q4 人間の加筆・編集が、新たな創作的表現といえる程度か トリミング・色味補正・軽微な修正・部分的な消去は「単なる調整」であり、 創作的表現には達していない 達している 区分 D 主要部分の生成 +実質的改変 達していない 区分 E 全面的生成 迷ったら、AIの関与が大きいほうの区分を申告してください C か D で迷えば D、D か E で迷えば E。関与を小さく申告すると虚偽申告になりますが、大きく申告してもなりません。 作品の中で部分ごとに区分が違う場合 関与が最も大きい区分を全体の区分として申告し、内訳を付記します。 例:区分D(人物:A/背景:D) この図で判定できるのは「区分」だけです 表示には水準(V0〜V4)が必要です。区分は作品に、水準は作者に付きます。 水準は作者の証跡管理体制に対する検証の度合いです。詳細は規格本体をご覧ください。 来歴 B-V3 検証済 来歴区分表 v0.17 / STD-PROV-001 / 来歴標準プロジェクト CC BY 4.0 — 出典明記で自由に利用できます 本図は判定の要点を抜粋したものです。正確な定義は規格本体をご参照ください。

クリックすると印刷用PDFが開きます

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いずれも CC BY 4.0 です。出典(来歴区分表 v0.17 / 来歴標準プロジェクト (CC BY 4.0))を書けば、書き換えても商売に使っても自由です。プラットフォーム、企業、学校が自分のルールや画面に組み込むことを歓迎します。ブラウザで読める 規格全文(HTML版)もあります。

OPEN QUESTIONS

意見を募集しています

v0.17は「意見募集中の案」です。次の9つは、わざと決めずに残しています。規格は1年ごとに見直す前提で、議論と経緯はすべて公開します。どれも、その現場にいる方でないと答えが出ない論点です。ご自分に近いところだけご覧ください。

  1. すべての方へ 学習データの来歴を、別の軸として作るべきか 無断で学習したモデルを使うことは大きな関心事ですが、使う側から確かめる方法がありません。任意の書き添え欄にすると、今度は書けない人が疑われるという別の問題が起きることも見えてきました。どう扱うべきか決めきれていません。
  2. 手作業・アナログで作る方へ 絵画・工芸・フィルム写真で、何を記録とするか いまの記録の例は、レイヤーデータや作業履歴などデジタル前提です。油彩画に相当するものはありません。制作日誌、下絵、窯出しの記録、ネガ——もともと作っている記録のうち、何が使えるのか。ここで実態を外すと、いちばん誤判定に困っている方を締め出します。
  3. 絵以外を作る方へ(文章・音楽・翻訳・映像) 絵以外での、区分CとDの分かれ目 いまの判定は「AIが作った部分を取り除いても作品として成り立つか」です。これは絵を前提にしています。翻訳のように分解できないものや、プログラムのように取り除くとそもそも動かなくなるものでは、この見方がうまく働きません。分野ごとに何を1つと数えるべきか、うかがいたい論点です。
  4. すべての方へ 区分Bの範囲を、どのくらいの頻度で見直すか ソフトにAI機能が組み込まれていく以上、Bの範囲は年々広がります。速く見直すほど実態に合いますが、過去に表示した「来歴 B-V3」の意味が動くと、表示そのものが信用できなくなります。
  5. 会社・スタジオ・工房の方へ 何人かで作った作品で、誰が申告の責任者になるか とくに、発注した側が制作に口を出す場合です。制作会社とクライアントのどちらが申告の責任を負うのか、実務ではどう決まっているか。
  6. 会社・スタジオ・工房の方へ 会社の水準を、どの単位で見るか 大きなスタジオで部署ごとにやり方が違う場合、事業所ごとで足りるのか。部署だけで水準を取れたほうが現実的か。
  7. 学校・教育機関の方へ レポートや論文でAI利用を書くとき 区分A〜Eと水準V0〜V4をそのまま持ち込むのが適切か、学校向けには別の書き方が要るのか。AI検出ツールの扱いについても、現場のお考えをうかがいたいところです。
  8. 表示する場所・発注する方へ 水準を持たない人の扱いを、どこまで規格で縛るか v0.14で「V0をバッジとして表示しない」「水準がないことだけを理由に不利に扱わない」という条件を入れました。ただし表示する場所や発注する方との間に契約関係がないため、実効性は「規格に沿っているとは言えない」という評価にとどまります。これで足りるのか、別の手立てが要るのか決めきれていません。
ご意見の送り先 contact@jumpstack.co.jp

いちばんありがたいのは「この区分では自分の制作を表せない」という具体的なご指摘です。
賛否、実務での困りごと、規格の穴のご指摘、いずれも歓迎します。番号だけでも、まとまっていなくても構いません。

CHANGELOG

更新の記録

日付内容
2026-08-07来歴区分表 v0.17 を公開。デザイン実務者からの意見をもとに、別紙「よくある制作フローと区分例」を新設。「CとDの分かれ目」に「何を1つの作品として申告するか」の補足を追加し、「これから決めること」に9項目め(作品ごとの記録が制作実務と合っているか)を追加。区分・水準の定義そのものに変更はありません
2026-08-06来歴区分表 v0.16 を公開。照会番号の頭を RSK- から RK- へ変更(RSK- はスキーム文書の番号に使うため、混同を避ける)。区分の順序についての言い方を直した(「A〜Eに上下はありません」と言いながら「下ではなく上の区分を」と書いており矛盾していたため、「生成AIをどれだけ使ったかの順序であって、良し悪しの順序ではない」という書き分けに改めた)。用語の整理2か所。規格の内容そのものに変更はありません。判定フロー図も更新
2026-08-05来歴区分表 v0.14 を公開。水準V0の扱いを明確にし(V0は表示に現れない/V0をバッジとして表示しない)、「水準の扱いについて」の4条件を新設。意見募集の論点に8つめを追加
2026-08-04規格全文・実装ガイド・運用ガイドのHTML版を公開。用語集、よくある質問、プラットフォーム別のAI申告、C2PA等との関係を追加
2026-08-03来歴区分表 v0.13(意見募集中の案)を公開。公開の経緯(note)

規格は1年ごとに見直す前提です。見直しの議論と経緯は、すべて公開します。

来歴区分表 v0.17 / 来歴標準プロジェクト (CC BY 4.0) 運営:JumpStack株式会社